kinoko使い方ガイド - Claude Codeマルチエージェントを5分で起動する
Claude Codeを複数インスタンス同時に動かして、タスクを並列処理したい。
その仕組みをtmux + Markdownファイルだけで実現するのがkinokoです。指揮官エージェント1体がタスクを分解し、4体のワーカーが同時に実行します。追加のサーバーやデータベースは不要で、deploy.shを実行するだけで環境が整います。
この記事では、インストールから実際の運用まで、ステップバイステップで解説します。
kinokoの設計思想や他のマルチエージェント手法との比較は、Claude Codeマルチエージェント実践記で詳しく解説しています。
📋 前提条件
以下の環境が必要です。
| 必要なもの | バージョン | 備考 |
|---|---|---|
| Claude Max プラン | $100/月 または $200/月 | Claude Code CLI の利用に必要 |
| tmux | 3.4以上 | pane-colours機能を使用するため |
| Claude Code CLI | 最新版 | npm install -g @anthropic-ai/claude-code |
| OS | macOS / Linux | Windowsは未対応 |
Claude Code は Claude Max プラン($100/月 or $200/月)が前提です。5インスタンス並列で動かすため、$100プランではレート制限に達しやすく、$200プランが推奨です。
tmuxのバージョンはtmux -Vで確認できます。macOSならbrew install tmuxでインストールできます。
📦 インストール
git clone https://github.com/infoHiroki/kinoko.git
cd kinoko
これだけです。npm installもビルドも不要です。
🚀 起動・停止
起動
./deploy.sh
実行すると以下の処理が自動で行われます。
- tmuxセッション
kinokoを作成 - 5つのペインを分割・配置
- 各ペインでClaude Codeを起動
- 各エージェントに役割を伝達
約20秒ほどで全エージェントが稼働状態になります。
キューリセット起動
./deploy.sh --clean
前回のタスク・報告・ダッシュボードをすべて初期化して起動します。新しいプロジェクトに取りかかるときに使います。前回の状態はlogs/ディレクトリに自動バックアップされます。
停止
./deploy.sh --kill
再接続
既にセッションが起動している状態で./deploy.shを実行すると、新規作成せずに既存セッションに接続します。
🖥️ 画面レイアウト
起動すると、tmux上に以下のレイアウトが展開されます。
┌──────────────┬──────────────┐
│ beni │ cordyceps │ ワーカー上段(Opus × 2)
│ ベニテングタケ │ 冬虫夏草 │
├──────────────┼──────────────┤
│ matango │ enoki │ ワーカー下段(Sonnet × 2)
│ マタンゴ │ エノキ │
├──────────────┴──────────────┤
│ reishi │ 指揮官(Opus)
│ 霊芝 │ ← ここに指示を送る
└─────────────────────────────┘
各ペインの上部ボーダーにエージェント名が緑色で表示されます。指示は一番下の霊芝ペインに送ります。
🍄 基本的な使い方
1. 霊芝に指示を送る
霊芝ペイン(画面下部)を選択し、自然言語で指示を入力します。
deploy.shにヘルプオプションを追加して、READMEの起動手順セクションも更新して
2. 霊芝がタスクを分解する
霊芝は指示を受け取ると、作業を分解して各ワーカーに配分します。
- deploy.shの修正 → ベニテングタケ(Opus、創造的な実装向き)
- READMEの更新 → エノキ(Sonnet、軽量タスク向き)
タスクはqueue/tasks/{ワーカー名}.mdファイルに書き込まれ、tmux send-keysでワーカーが起こされます。
3. ワーカーが並列実行する
各ワーカーは自分のタスクファイルを読み、作業を開始します。tmuxの各ペインでClaude Codeがリアルタイムに動いている様子が見えます。
4. 報告と進捗確認
ワーカーは作業完了後、queue/reports/{ワーカー名}.mdに報告を書き、霊芝に通知します。霊芝は報告を集約してdashboard.mdを更新します。
# ダッシュボードで進捗を確認
cat dashboard.md
📁 ファイル構成
kinoko/
├── CLAUDE.md # 全エージェント共通の設定・ルール
├── deploy.sh # 起動スクリプト
├── dashboard.md # 進捗ダッシュボード(霊芝が更新)
├── instructions/
│ ├── reishi.md # 霊芝の行動ルール
│ └── worker.md # ワーカー共通ルール
├── queue/
│ ├── command.md # ユーザー → 霊芝
│ ├── tasks/ # 霊芝 → ワーカー(タスク配分)
│ │ ├── beni.md
│ │ ├── cordyceps.md
│ │ ├── matango.md
│ │ └── enoki.md
│ └── reports/ # ワーカー → 霊芝(完了報告)
│ ├── beni.md
│ ├── cordyceps.md
│ ├── matango.md
│ └── enoki.md
└── examples/
└── spinner-verbs.json # スピナー動詞サンプル
通信はすべてMarkdownファイルへの書き込みで行われます。外部APIやデータベースへの依存はありません。
⚙️ カスタマイズ
モデルの変更
deploy.sh冒頭の変数で、各エージェントのモデルを変更できます。
MODEL_BENI="opus" # ベニテングタケ
MODEL_CORD="opus" # 冬虫夏草
MODEL_MATA="sonnet" # マタンゴ
MODEL_ENOK="sonnet" # エノキ
MODEL_REISHI="opus" # 霊芝
コストを抑えたい場合は、ワーカーをすべてSonnetやHaikuに変更する方法があります。逆に品質を最優先するなら、全員Opusにすることもできます。
| 構成例 | 月額目安 | 用途 |
|---|---|---|
| Opus 3 + Sonnet 2(デフォルト) | $100プランでギリギリ | バランス型 |
| Opus 1 + Sonnet 4 | $100プランで余裕あり | コスト重視 |
| Opus 5 | $200プラン推奨 | 品質最優先 |
権限スキップ
deploy.shのSKIP_PERMISSIONS変数で--dangerously-skip-permissionsフラグの付与を制御できます。
SKIP_PERMISSIONS=false # デフォルト: 権限確認あり
SKIP_PERMISSIONS=true # 全ツール呼び出しが確認なしで実行される
エージェント間のsend-keys通信を自動化するにはtrueが必要ですが、すべてのツール呼び出しが無確認で実行される点にご注意ください。
スピナー動詞のカスタマイズ
Claude Codeの「Thinking...」表示をカスタマイズできます。examples/spinner-verbs.jsonにサンプルが含まれています。
# プロジェクトの .claude/settings.json にコピー
cp examples/spinner-verbs.json .claude/settings.json
詳細はspinner verbs完全ガイドを参照してください。
エージェントの行動ルール
各エージェントの行動は以下のファイルで定義されています。
CLAUDE.md- 全エージェント共通のルール(通信プロトコル、禁止事項など)instructions/reishi.md- 霊芝固有のルール(タスク分解方針、ダッシュボード更新規則)instructions/worker.md- ワーカー共通のルール(タスク実行手順、報告形式)
プロジェクトに合わせてこれらのファイルを編集することで、エージェントの振る舞いを調整できます。
💡 運用のコツ
指示は具体的に
霊芝はタスク分解を行いますが、あいまいな指示だと分解の精度が落ちます。
# ✅ 良い指示
deploy.shにヘルプオプション(-h, --help)を追加して、
READMEの起動手順にヘルプコマンドの説明も追記して
# ❌ あいまいな指示
ドキュメントを整備して
ダッシュボードを活用する
dashboard.mdは霊芝が自動更新する進捗表です。「要対応」セクションにはユーザーの判断が必要な事項が表示されるので、定期的に確認してください。
コンテキスト圧縮からの回復
長時間稼働していると、各エージェントのコンテキストが圧縮されることがあります。その場合、エージェントは自動的にCLAUDE.mdと自分の指示ファイルを再読み込みして復帰します。手動で復帰させたい場合は、対象ペインに以下を送ります。
CLAUDE.mdを読み直して、自分のタスクファイルを確認して
❓ よくある質問
$100プランと$200プランのどちらが必要ですか?
Claude Max プランが必須です。$100プランでも動作しますが、5体が同時稼働するためレート制限に達しやすくなります。快適に使うなら$200プランを推奨します。
エージェント数を増やせますか?
deploy.shのペイン分割とClaude Code起動部分を追加すれば可能です。ただし、認知負荷とコストの両面から、5体程度がバランスの良い構成です。
公式のAgent Teamsとどちらを使うべきですか?
Agent Teamsは環境変数1つで有効化できる手軽さがあります。一方、kinokoはファイルベースの通信が透明で、エージェントの行動ルールを細かくカスタマイズできます。手軽さならAgent Teams、カスタマイズ性と可視性ならkinokoが適しています。
⚠️ 既知の制限事項
- macOS / Linuxのみ対応: Windowsは未対応です
- tmux 3.4以上が必要:
pane-coloursによるカラー再定義を使用しています - API使用量に注意: 5インスタンス並列のため、APIコストが通常の数倍になります
- ワーカーの独立動作は不可: 必ず霊芝経由でタスクが配分されます
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